北朝鮮への行き方を教えます
ふらりと北朝鮮旅行に行ってきました。帰国後、北朝鮮への行き方や入国方法、ビザの取得について周りから何度も聞かれたのですが、実はけっこう簡単なのです。なんと北朝鮮に行くには、北朝鮮専門の旅行代理店に電話するだけでいいのです。
というわけで、北朝鮮への行き方や実際の入国手続きの様子、平壌市内のマニアックな観光名所の紹介、板門店や妙香山などの鉄板コースの実録訪問記をブログの形でお届けしたいと思います。
※おことわり…本記事記載の内容は2016年8月に筆者が体験した実話です。2021年現在でも手続き自体は変わっていませんが、コロナのおかげで入国は難しいと思います。また、なんだかんだ言って北朝鮮は北朝鮮ですので、テポドン飛ばしたら入れなくなる可能性もあります。
北朝鮮への行き方、それは旅行代理店にお願いするだけ!
行ってみると案外ユルい北朝鮮ですが、行くまでには色々と面倒な儀式があります。行き方は単純なのですが面倒くさいです。
具体的には、往復の交通手段、宿、北朝鮮のビザを手配して、ガイドさん兼監視員の手配を平壌の朝鮮国際旅行社にお願いして、誓約書などの必要書類を北朝鮮当局に提出しなくてはなりません。
朝鮮総連の方を除いて、個人ではおそらくクリアできない関門だと思いますので、おとなしく北朝鮮旅行の手配をしてくれる旅行代理店に連絡を取りましょう。
希望日程を伝えてお金を払えば、必要なことはほぼ全部やってくれるので、後は書類にハンコを押して空港に行くだけです。
その旅行代理店ですが、日本国内に2社、中国にはわんさとあります。
日本から空路で向かう場合は中外旅行社(東京)、JSツアーズ(東京)などが便利で、飛行機からホテルまで一切合切の手配を受け付けてくれるでしょう。
なお、中国の丹東などから列車で北朝鮮に入る場合は、中国現地の旅行社にツアーを組んでもらう方法もあります。
とはいえ陸路による入国ルールは国際情勢次第でコロコロ変わるため、現地に行ってみたらやっぱりムリ~と言われる可能性もあり、ややハードルが上がります。
- 中外旅行社やJSツアーズでも鉄道旅行の組み立ては可能だと思います。鉄道利用であればこちらのほうが確実です。
- 中国の旅行代理店+列車で入国、というプランだと、手荷物検査が厳しくなったり、スマホの使用を禁止されたりするといった情報をいただきました。確認は取れていませんが、念のため追記しておきます。
- 観光コースについては、希望だけ朝鮮国際旅行社に伝言してくれるようです。現在は経済制裁中なので、日本の旅行代理店がコースを組むことができないとのこと。
北朝鮮旅行の費用はおいくら?
今回、我々は日本国内の代理店にお願いして、北京経由6日間・飛行機は高麗航空を使わずにスターアライアンス加盟のANAと中国国際航空・ホテルは全員シングルルーム、という反革命的なブルジョワお大臣ツアーを組んで貰いました。
気になるお値段は1人28~31万円程度(申し込み時期によって航空券代金が変わる)!
北京=平壌=羽田の航空券、ホテルのシングルルーム5泊、現地での食事や交通費の一切合切、専属のガイドさん2人と運転手1人がつきますから、まったくもって高くないと思います。
とはいえ、大金は大金ですね。ビジネスクラスでハワイに行けそうなお値段ではありますが、閑散期なら切り詰めれば20万円台前半でも渡航可能だと思います。
LCCと中国の旅行社を組み合わせて鉄道で北朝鮮入りした人は、10万円台中盤で行ってきたそうです。
カメラ、スマホ、携帯電話、パソコンは持ち込めるの?
このように、北朝鮮旅行そのものは金と時間と度胸があって周りの目が怖くないなら至極簡単なのですが、問題は資本主義諸国の精神的に汚れた物資の持ち込みです。
平壌空港では、スーツケースまでガッチリ開けられて全ての手荷物を検査され、パソコンやタブレットは起動してフォルダの中まで見られます。
おかしなものは持ち込まないほうが良いでしょう。特に、北朝鮮について言及された本などはNGです。
逆に言えば、思想的に身ぎれいならば問題ないわけです。中身を整理したタブレットやノートPC、本を入れたKindle、政治と関係ない本(マンガやゲームの本)は普通に持ち込み可能でした。
カメラやスマートフォンに関しては、基本的に持ち込み自由です。撮影も自由で、商用利用しなければブログやSNSにアップしてもOK。
軍事施設・工事現場・インフラなどの撮影NGポイント(実際はほとんどありませんでしたが)では、ガイドさんが注意してくれますので、うっかり撮影して逮捕されるといった心配もありません。
「レンズの長さに制限がある」という噂もありましたが、55-200mmのズームレンズが検査にパスしたので、フルサイズ用の300mmF2.8とかでなければ問題ないのでしょう。リコーのTHETAや自撮り棒(!)なども持ち込み可能でした。
北朝鮮の携帯電話やインターネットはどうなの?
これも良く聞かれるのですが、携帯電話はローミング等が一切使えません。
国際通話用と、データ通信用のSIMが売られていますので、外の世界とはこれで連絡を取ることになります。
そのSIMカードですが、北朝鮮唯一のキャリア・コリョリンクの本社のほか、平壌順安空港の第二ターミナルにある両替屋で買うことが出来ます。
一般の旅行者はガイドさんにお願いして、到着後にここで買うことになるでしょう。
お値段は国際通話用が約5000円、データ通信用が15000円程度です。
SIMカードとトップアップで2~3万円ほど見ておいてください。
また、データ通信は3Gで結構早いのですが、100MBしか容量がありません。
100MB以降のデータ容量のトップアップは結構お安いようなので、北朝鮮でネットをしたい人は、空港であらかじめチャージしまくっておきましょう。
北朝鮮でスマホのアプリは使えるの?
データ通信は中国と同じく、GFWに囲まれているのでVPNがないとTwitterやFacebookには接続できません。なお、WechatやWeiboなどの中華アプリはそのままで大丈夫でした。
驚いたことに、南朝鮮傀儡のアプリであるLINEも制限なしで使えました。
日本に建てておいたリモートコントロール用のPCにも難なく接続できたので、金とGPSの位置情報(みなさんも将軍様の前でチェックインしたいですよね?)にこだわらなければ、自由にネットはできると言ってよいでしょう。
詳しくは「北朝鮮(平壌)でのSIMカード入手とインターネット接続について」にて。
北朝鮮での両替や通貨はどうなってるの?
北朝鮮には人民ウォンという通貨があるのですが、外為に関する法律があるらしく、外国人が手にすることはできません。つまり、両替をすることはできません。
ではどうするかというと、準通貨として中国の人民元がどこでも使えます。驚いたことに、外貨ショップだけでなく、タクシーや街中の売店などでも通用します。
円やユーロなども使えますが、店員さんは露骨に人民元を要求してきますので、経由地の北京で円から人民元に換えておいたほうが無難でしょう。
ユーロやドル、日本円はバックアップだと思ってください(ホテルなどでは大丈夫です)。
北朝鮮での食事はどうなの?
これは最悪です。北朝鮮では観光のスケジュールがガチガチに固められており、かつ結構タイトなので、レストランについたらすぐ食事を始められるよう、全て作り置きで冷たくて固いのです。サムゲタンまで冷え冷えガチガチなのには閉口しました。
追加料金(三千円とか五千円とか)を払えば焼肉などの温かい料理に変更してもらえますので、食事にこだわりたい人は事前に代理店と相談するのがよいでしょう。
また玉流館や例の料理人(藤本さん)の日本食レストランなどを、初めからコースに組み入れてもらうのもよいでしょう。
また、ホテルのレストランは自由に使えますので、別途、そこで温かくて美味しい食事を取るのもよいでしょう。ちなみに高麗ホテルにはレバ刺しなんかもあってデンジャラスですよ。
結論。北朝鮮旅行は簡単ですよ!
というわけで、おそらく世界最新かつもっとも詳しい、北朝鮮旅行ガイドでした。
北朝鮮は外界と途絶された不思議な国。将軍様っぽいのが好きな人でなくても、驚きと知見のある旅になると思います。
それでは、チャル タニョオセヨ!
北朝鮮旅行記・俺の北朝鮮 2016訪朝シリーズ
北朝鮮そのものへ行ってきた北朝鮮旅行記。北朝鮮への行き方や平壌国際空港(順安空港)のディープな探検記を掲載しています。
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飛行機ファンなら気になる平壌国際空港のガイド。
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