アムトラック自慢の食堂車は料理がボリューミーで旨いぞ!
いよいよお待ちかね、アムトラック食堂車(ダイニングカー)の体験レポートです。
まずは食堂車の予約システムについてざっくりご案内させていただき(実際に乗車されない方は読み飛ばしていただいて構いません)、続いて夕食のメニューをご紹介していきます。
アムトラック食堂車の予約について
夕食の数時間前(サウスウエストチーフ発車直後は乗車してすぐ)になると、食堂車のウェイターさんがディナーの予約を取りに部屋まで来ます。
アムトラックの食堂車がいくら広いとはいえ、全乗客をいっぺんに収容できるほどではないので、事前に予約を取って順番に捌いていくわけですね。
ちなみに食堂車の利用は寝台車の客が優先で、寝台車の客が全員晩飯を食べ終えてから、普通車のお客さんに開放されるシステムになっています。
予約可能な時間帯は17時半から20時までの30分刻みといったところですが(たぶん)、ウェイターさんは車両を端から順に回っていますから、自分のところに来たタイミングで何時の枠が残っているかはわかりません。
個人的な意見ですが、アムトラックの飯は旨いのですが、車内ではひたすら食っちゃ寝食っちゃ寝するたけで全然お腹が空かないので、なるべく朝食・昼食・ディナーの時間は間を取ったほうがよいでしょう。とはいえ、ディナーの予約はなぜか早い時間から埋まっていくので、自然と後ろの方になると思います。
予約が成立すると時間を書いた紙を渡してくれます。なくさないように大事にしましょう。
予約の時間が近づくと、車内放送で「何時にディナーの予約をしたお客様は食堂車へ」という呼び出しがかかります。先程の紙を持って食堂車に行けば、楽しいディナーのはじまりです。
着席するとウェイターさんから伝票を手渡されますので、氏名と部屋番号を記入します。その他の部分は注文の際にウェイターさんが記入する部分ですので、書く必要はありません。
食堂車の夕食メニューと料金
私が乗車した際のディナーメニューはこんな感じでした(下の写真の右側)。
海と陸のコンボセット39ドル、アムトラックシグネチャーステーキ25ドル、ノルウェー産サーモン23ドル、チキンの香草焼き18.5ドル、パスタが16.5ドルとなっています。
寝台車の利用客はレストランの代金が運賃に含まれていますので、何をどれだけ食べてもお金はかかりません。ドリンクも同様です。
ベーコンでもチーズでも、好きなだけトッピングしてください。もっとも、そんなには食べられませんが…。
食堂車にチップは必要? いくらくらい?
アムトラックの食堂車で心配なのがチップのこと。必要か不要か、適正額はいくらか全然わかりません。私が見ていた限り、利用者の半数はチップを支払っていました。必要と思ったほうがよいでしょう。
金額は朝食が1-2ドル、昼食が2-3ドル、夕食が3-5ドルといったところで、これくらい出しておけば恥ずかしい思いはしないでしょう。
チップは直接手渡してもよいですが、食べ終わったお皿の下に(少し見えるくらいに)挟んでおくのがスマートなようでした。
初日のディナーはアムトラック・シグネチャー・ステーキ!
おまたせしました。ここから実際のディナーのご紹介です。
ます初日は「アムトラック・シグネチャー・ステーキ」を選択。料理のレベルがどんなものかわからなかったので、無難にステーキから行きました。
焼き方は5段階くらいでけっこう細かく聞かれます。私はミディアムレアでオーダーしました。
ステーキの前に、サイドメニューで頼んだサラダが出てきます。
ドレッシングは普通な感じですが、温度が冷たすぎず適温で美味しいです。野菜も新鮮な感じ。
なお結構ボリュームがあります。
当然パンも出てきます。ちなみにパンの手前にあるでっかい袋がドレッシングです。こんなにいらんがなと思いました。
そしていよいよステーキが登場します!!!
どーーーーーーん!!!
おおおおおおおおおっ、これはかなりいいです。見るからに美味そう。
つけあわせのインゲンと芋がけっこうなボリュームで、けっこう手強い量です。
ナイフを入れただけで、これは上質なステーキであるとわかります。
しっかりとした肉質で、柔らかさもほどよいです。
口に入れてクイッと噛むと、いい風味の肉汁がほとばしります。うんめぇ…。
誰ですかアムトラックの飯がまずいと言っていた人は!
このステーキ、火入れがとにかくしっかりしていて、提供時の温度も低すぎず高すぎず、ギリギリの線を保っていました。
シェフの腕前とウェイターさんの気遣いを感じます。
付け合せも野菜も美味しく、別添えのソースも一工夫されており、全体的に大満足のディナーでした。
ちなみに芋はマッシュポテトとベイクドポテトが選べますよ!
二日目のディナーはノルウェー産サーモンのソテー!
二日目の夕食も続けてご紹介しましょう。
アメリカ飯にちょっと胃もたれしてきたので、軽めに魚料理を選択。ノルウェー産サーモンのソテーです。
驚いたことにソースがタイ風のピリ辛で、かなり辛味があります。エスニックに飢えていたので、嬉しい驚きでした。
火の入れ方はやや強いかなと思いましたが、元が冷凍のサーモンでしょうし、温かさも均一なので、十分に高水準です。
骨がないし、魚の臭みも全くないのも特筆すべき点。ここのシェフは腕がいいんでしょうねえ。
つけあわせも引き続き美味しかったです。ちなみにマッシュポテトは大量のバターがぶち込まれていて、まずいわけがありません(笑)。
食堂車では会話も楽しもう!
ちなみに食堂車はガラガラの場合を除いて、基本的に相席になります。スペースの節約という意味もあるのだと思いますが、旅の楽しみの演出でもあるのでしょう。
アメリカ人との相席は英語ができないと結構緊張しますが、アムトラックの寝台車に乗っているような人たちはみな裕福でゆとりがありますから、優しい英語でゆっくりと会話してくれます。
あれこれ心配せずに、英会話の先生と食事に来たくらいの気楽さで話しかけてみてください。まずはハロー、グッドイブニング、そんなくらいでもいいと思います。
寝台車のお客さんは数日間だけ疑似家族のような関係になるので、ここで話し相手を作っておくと、途中停車駅や展望車で楽しく過ごせますよ。
アムトラック食堂車の朝食
続いて朝食についてです。
朝食だけは予約システムがなく、先着順での受付となります。一般車両の人もオープンから入れるので、席はけっこうな争奪戦になります。
オープン時間は6時半とパンフレットに書いてあったのですが、実際は準備の都合か前後するようで、けっきょく7時ごろになると開いていました。
先述の通り大変な賑わいなので、なるべく早く行ったほうが良いと思います。行って埋まっていた場合は整理券のようなものをもらえるようです(未確認)。
ただし、カンザスシティを過ぎると乗客がかなり減っているため、三日目の朝食はスカスカでした。
二日目の朝食はスリーエッグオムレツのベーコントッピング!
ロサンゼルス発のサウスウエストチーフは夜行便なので、二日目の朝が一発目の朝食となります。
メニューはスクランブルエッグ8.5ドル、コンチネンタルブレックファースト8.75ドル、アムトラックシグネチャーバターミルクパンケーキ10.5ドル、メキシコっぽい何かが13.5ドル、スリーエッグオムレツが13.75ドルです。今回は気分でオムレツを頼みました。
「野菜とチーズを入れられるよ」とウェイターさんが言うので、両方お願いしました。
そして悪魔のささやきのように「付け合せにベーコンやソーセージはいらないか」とも言われたので、これまた勢いでベーコンを追加。出てきたものはこちら!
どどどどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!
驚くようなボリュームです。朝から1000kcalはあるのではないかと思います。
卵はかなり固めに焼かれているため、トロ~リ感が欲しい場合はチーズを入れたほうが良いでしょう。
クロワッサンもふかふかで美味しく、ベーコンはちゃんとカリカリ。
メチャクチャうんまい。ぺろりと完食。こんな旨いもの毎日食ったら早死すると思います…。
が、周りのおじいちゃんたちも同じくらいの量を食っていました。やはりアメリカはすげえなあと痛感。
三日目の朝食はアムトラック・シグネチャー・パンケーキ!
三日目の朝ともなるとかなり食べ疲れているので、(アムトラックのなかでは)カロリー控えめニューであるパンケーキを注文しました。
これはシロップ部分がカロリーの権化なだけので、バターとシロップを控えめにすれば実はヘルシーなんです。
が、バターとシロップをザブザブかけまくったほうが旨いに決まってますし、付け合せで塩味の効いたカリカリベーコンがあったら最高に決まっているのでそのようにしました。
ああああああああああああああああああうっめえ。
だけどこれも1200kcalくらいあると思います。殺す気か!
アムトラック食堂車の昼食
最後は昼食についてです。こちらは夕食と同じで予約システムがあります。ウェイターさんが時間を聞きに来るので、部屋のドアを開けて待っていましょう。時間は11時~13時の時間帯から選べるようです(たぶん)。
サウスウエストチーフの場合、シカゴ到着の定刻が14:50なので、三日目に昼食が出るのか不安だったのですが、普通に10時頃に予約を取りに来てくれました。
二日目の昼食はアンガスビーフのハンバーガー!
二日目の昼食は、大好きなアメリカのハンバーガーにしました。
ウエイターさんが「トッピンクにチーズ、アボカド、ベーコンを選べるよ」と恐ろしいことを言ってくれたのですが、食べ過ぎなのでチーズのみとしました。
出てきたのがこちら。
メチャクチャうまそうなのですが、付け合せに大量のポテトチップスが乗ってます。うひー。
でもキシッとした歯ごたえで固くてうまいです。いけないとは思いつつ、全部食べてしまいました。
ハンバーガー自体もメチャウマで、アメリカで今まで食ったハンバーガーのなかで最高の旨さでした。
ふっくらして少しカリ感のあるパン、しっかりした肉とジューシーなチーズ。野菜はプレートにあるものを好きなように挟めます。
チーズがジューシーなのでピクルスは挟まず、そのままパクリ。
はあー極楽。こんなんもう、旨くないわけがないですねえ。
三日目の昼食はベジタリアン向けのハンバーガー!
この旅最後の食堂車、三日目の昼食です。
流石に食べ疲れてきたので、ヘルシーそうなベジタリアン向けメニューであるベジタブルハンバーガーを注文。
野菜なのであっさりしているだろうと思い、チーズをトッピングして、食後にデザートも頼みました。
が、メニューをよく見るとベジタリアン向けなのに800kcalもあります。牛肉と変わりませんやんけ。どういうことなの…。
しばらく待って出てきたのはこちら。見た感じは完全に普通のハンバーガーですが、肉の部分が大豆をミンチしたもの(多分)に変わっています。味付けはびっくりのカレー味!
食感は肉のような歯ごたえはないもののけっこうしっかりしており、チーズのおかげでジューシーさも相まって、美味しくいただけました。
つけあわせはアンガスビーフのハンバーガーとまったく同じで、こりゃ800kcalもあるわけですね。
そして問題はこちらのデザート。
見た感じはよくあるチョコレートタルトなのですが、中にクリーム状のキャラメルが詰まっていて、激甘・激カロリーなのです。
キャラメルソース、めっちゃザブザブ入っています。
美味しいけど、こりゃカロリーの暴力ですね~。
食べに食べたり食堂車、推定7200kcal!!!
というわけで駆け足でしたが、アムトラックの食堂車の利用法と、実際に食べた食事のご紹介でした。
トッピングやデザートも入れれば、1食1200kcalくらいは楽勝で摂っていると思います。
初日夜、二日目朝昼晩、三日目朝昼だから6食で…7200kcalかよ!!
列車の中では基本的に運動もせずゴロゴロしているわけで、もはや太るなというほうが無理といえましょう!
というわけで、次回は狭い車内のオアシス・展望車と売店についてです!
アムトラック・サウスウエストチーフ号乗車記(2019)
サウスウエストチーフ号乗車記 1
サウスウエストチーフ号乗車記 2
サウスウエストチーフ号乗車記 3
サウスウエストチーフ号乗車記 4
サウスウエストチーフ号乗車記 5(終)