これがアムトラックの寝台車・ルーメットだ!
アムトラック・サウスウエストチーフ号の寝台車乗車記、今回は寝台車個室の室内設備をご紹介します!
ユニオンステーションでサウスウエストチーフ号に無事乗車できたら、アテンダントさんにチケットを見せて、部屋がどこにあるか聞きましょう。案内はしてくれませんが、何階のどっち側かくらいは教えてくれるはずです。
乗車してすぐ、1階のデッキと手荷物置き場はこんな感じ。
列車自体はデカイのですが、居室部分を広く撮っているので廊下がとにかく狭いですね。スーツケースをガラガラやるのは無理な広さです。
私の場合は6号室。狭い狭い階段を登って、これまた狭い廊下を歩いて、右手にありました。
お部屋に入る前に、列車自体の設備について少しだけ。
階段を上がりきったところにコーヒーサーバー、ウォーターサーバー、アイスサーバー、そして軽食のビスケットがあります。コーヒーはフレーバーがついていて結構美味しいです。
給水器とカップもあるので、部屋が2Fだとなにかと便利ですね。
この向かいにトイレがあり、シャワールームは一階です(シャワーとトイレについては別記事でご紹介します)。
進行方向側(上の写真のA)には貨物車や別の寝台車が連結されており、特に出入りする必要はないと思います。
進行方向とは反対側(上の写真のB)に食堂車・展望車と続けて連結されているので、こちら方面の出入りはひっきりなしにあると思います。
ルーメットのお部屋はこんな感じ
というわけで、こらちがサウスウエストチーフ号の寝台車個室、ルーメットです!
(散らかっていますが、写真は二日目以降のものを混ぜて使っています。初日は乗車後すぐ日没だったので…)
正直な第一印象は「狭っ」「これで800ドルか!」といったところですが、座ってみるとシートに横幅があるため大変に座り心地がよく、また寝台部分を収納している状態なら天井がかなり高くなるため、とても落ち着いた雰囲気があります。
リクライニングは無段階で、向かい側のイスをオットマンのように使うこともできます。これ、へたな国際線のファーストクラスより良いと思います。
とはいえ良いところばかりではなく、列車自体が製造から20年以上経っており、経年劣化でやや汚れを感じるのは難点です。潔癖症の方はちょっとつらいかも?
このルーメットは基本的に二人用で、一人で使っても二人で使っても料金は変わりません。なので二人で旅行したほうが得ではあるのですが、なにぶんこの狭さなので、親友・夫婦・恋人など、一緒に風呂に入れるくらいの間柄じゃないとしんどいかなと思います。
ちなみにサウスウエストチーフ号は「スーパーライナー」という車種で運行されているのですが、別の車種のルーメットでは、この広さでトイレがついているそうです。いやー無理ですわ、それ。むり。こっちでいいです。
ちなみにこのルーメット、めっちゃ芳香剤くさいです。個人的には苦手な香りなので、ちょっと残念でした。とはいえ、トイレの強烈な芳香剤がこっちに流れているだけかもしれません。ずっとドアを閉めていれば大丈夫かも…。
ルーメットのアメニティ
部屋に備え付けられているアメニティはヘッドレストカバー、まくら2つ、ブランケット2枚、ペットボトルの水2本、ティッシュです。水はアテンダントさんに言えば補充してくれるようですが、近くにウォーターサーバーがあるのでそっちでいいような気もします。
あとは進行方向と反対側のヘッドレスト脇に小さな箱があり、タオルが収納されています。
とはいえタオルはシャワールームに備え付けられているので、あまり使うことはないと思います。
ルーメットの車内設備について
座席ヘッドレスト脇にコントロールパネルがあります。室内の電気周りの操作はほぼすべてここで行います。
まず進行方向側のコンパネですが、上から読書灯、読書灯のスイッチ、謎のミュージックコントロール(使いませんでした)、アテンダントの呼び出しボタン、室内灯のオンオフボタンです。
反対側のコンパネは室内灯、室温調整ノブ(もう使われていないようで反応しませんでした)、電源となっています。アメリカなので電源は120V、形は2本と同じです。
困ったことにこの電源が経年劣化で超ゆるゆるになっており、少し力を入れるとぽろりと落ちてしまいます。寝ている間にひっかけてちゃいそうですね。
また、コンセントは座席面からかなり高さがあるので、USB充電器などはケーブルが長いものを選びたいところです。
また、小さいながらもゴミ箱も室内にあります。進行方向と反対側の座席の通路脇にあります。ペットボトルくらいならここに捨てられますよ。大きめのゴミやコーヒーカップなど、臭いのするものはデッキのゴミ箱に入れましょう。
机は窓側に折りたたみのものがあり、引き出して展開して使います。残念ながら広さがそこまでではないので、ノートパソコンを使う場合は写真のように斜めに使うことになるでしょう。
これくらいなので、二人で一緒に仕事するのはしんどそうですね。もっとも、仕事するだけなら展望車でやったほうがいいです。
シート&ベッドのつくりがメチャクチャよいので、正直この机はもうちょい何とかならんかったんかい、という感じでした!
二段ベッドとベッドメイキング
ネットには「アテンダントさんがベッドメイキングをやってくれる」とあったのですが、特に挨拶にくることもなく、他の個室を見ても皆さん自分でベッドメイクをしているようでした。背の低い人とか、体の不自由なお年寄りにはやってくれるのかもですね。
というわけで自分でベッドメイクです。動画も貼り付けておいたので参考にしてみてください。
まず上の段ですが、ベッド中央部にあるノブを引っ張るだけで簡単です。ちなみに、ここに下の段用のマットレスが重ねて収納されているので、下の段だけを使う場合でも一度は開かなくてはいけません。
下の段は展開にややコツが必要です。ベッド操作用の小さなフットペダルを踏みつけながら、展開するときは座席の背もたれ部分をグッと下に押し下げます。やや力が必要なので、女性はしんどいかもしれません。
収納するときは楽で、フットペダルを踏みつけながら手なり足なりでグッと座席部分を押し込むだけです。
マットレスとシーツのベッドメイク自体は、上の段・下の段用のマットレスともにすでにされているので、何かをする必要はありません。下におろすだけです。
ちなみに上段のベッドへは進行方向側の椅子の脇にある、物置兼階段を使ってヨイコラショと登ります。足が不自由な方、恰幅のよすぎる方はしんどいと思います。
上段・下段とも、身長180cm弱のわたしが寝ろこんで足が伸ばせましたから、それほど不自由や狭さを感じることはないと思います。よくできてますねえ。
ただし上段はメチャクチャ揺れるので正直しんどいかなと思いました。下の段でも下手な船なみに揺れるので…。あ、落下防止用のシートベルトは必ず巻いて寝てくださいね。
また蛇足ですが、カンザスシティ駅を出ると(終着駅シカゴに近くなると)、アテンダントさんがベッドから椅子へとチェンジしてくれていました。
ルーメットの部屋鍵について
このあたりネットに情報がぜんぜんなかったのですが、ルーメットには部屋鍵がついていす。ただし内鍵だけです。この車両に乗っているはお金持ちばかりなので治安はいいと思うのですが、心配な方は貴重品は持ち歩くようにしましょう。
内鍵とカーテンをかければプライバシーは完璧に保たれます。着替えなんかも普通にできますよ。
ただし、食堂車の予約でスタッフさんが訪ねてきたり、他のお客さんが声をかけてくることがあるので、完全に閉じたままだと面白くないと思います。
私の場合、「あなた日本人?私日本人の友だちがいるのよ~」という感じで優しそうな白人のご夫妻と仲良くなり、ちょくちょく声をかけてもらえるようになりました。こういうのも列車旅の楽しみですね。
ちなみにそのお友達に最近子供が生まれたそうで、ご夫妻は「アメリカのおじいちゃん、おばあちゃんと呼ばれている」そうです。なんか可愛いですね(笑)。
部屋は左側がいいか右側がいいか?
私はやらなかったのですが、部屋はチェックインのときに指定(お願い?)できるようです。
部屋は選べるなら選びたいです。まずは一階がいいか二階がいいかですが、これは文句なく二階です。一階はトイレと風呂が集まっていて出入りが激しいというのと、食堂車や展望車は二階にあるため、イチイチ階段を登るのが超面倒という理由によります。
続いて進行方向(ロサンゼルス→シカゴの場合)から見て右側がいいか左側がいいかですが、停車駅の駅舎は左側にあることが多かったように思います。車窓という意味では左側がいいかもしれません。また右側だと、昼間に直射日光が部屋に入ってくるという問題もありました。アメリカの太陽、めっちゃまぶしいですよ!
というわけで、アムトラック・ルーメット個室のご紹介でした。
次回は気になる寝台車のお風呂とトイレについてです。
アムトラック・サウスウエストチーフ号乗車記(2019)
サウスウエストチーフ号乗車記 1
サウスウエストチーフ号乗車記 2
サウスウエストチーフ号乗車記 3
サウスウエストチーフ号乗車記 4
サウスウエストチーフ号乗車記 5(終)