扁桃腺の手術後は良くなったり悪くなったりの繰り返し
神尾記念病院に扁桃腺手術で入院した体験記ブログの続きです。無事に手術が終わり、ここからは痛みに耐えつつゲームと読書三昧の日々が始まります…と思ったのですが…。
入院3日目(手術翌日)…痛み80%
入院3日目、手術翌日の朝。幸いなことに患部からの出血もなく、傷みもなんとか我慢できるレベルです。扁桃腺で40℃の熱を出してひっくりかえっていた時よりは全然痛くありません。
熱もないので喉以外は正常で、痛み止めを飲めば普通に読書もゲームも楽しめます。薬を飲むときだけビクゥ!となって大変ですが…。
朝7時になって点灯、顔を洗ってチンタラしていたら8時の朝食です。ここでもまだ流動食でした。痛いことは痛いのですが、それでも普通に完食できました。
そしてお昼ごろ、主治医のT先生が摘出した扁桃腺を見せに来てくれました。グロいので写真は掲載しませんが、鰻の肝にそっくりで驚きました。サイズとしては小さめだそうなのですが、細菌の死骸のようなものが大量にたまっており、やはり切除で正解だったと思うとのことでした。ありがたや。
切った扁桃腺の写真を撮っていいですかと聞いたところ、どうぞどうぞ、みなさんそうされます、と言われました。
ちなみに昼食はこんな感じで、茶碗蒸し・アイスクリーム・杏仁豆腐と少し固形になってきました。
そして夕食。野菜のスープ煮、豆腐の煮物と固形物が増えてきた感じです。
入院4日目(手術から3日目)…痛み85%
入院4日め、この日も痛みの状態は同じくらいで、むしろ食事中以外は少し楽になったかなという感じです。この日の朝飯から食事は三分粥になり、少し食べるのに手間取りはじめます。が、痛み止めがしっかり効いているのでそこまで大変でもありません。
朝からシチューが出てくるのは衝撃でしたが、めちゃめちゃ腹が減っているのでむしろ嬉しかったですね。楽勝で完食。喉へのダメージはそれほどでもありませんでした。
看護師さんに食事は全部食べていると話すと、「経過が良いですねえ。全く食べられなくてずっと点滴の人もいるんですよ…」と驚かれました。
そして昼食。お魚の煮付けが出てきて、やっとこさ流動食から形のある食べ物になったなという感じ。 温玉はお粥に入れてワシワシ食べました。魚の煮付けは煮汁が美味すぎて、汁まで全部飲んでしまいました。
体調も気持ちも一段落したので、手術後はじめて病院のお風呂に入ることにしました。病棟のはしっこに小さなドアがあり、そこに時間帯の書かれたホワイトボードがかかっています。そこに名前を入れて予約するというシステムです。
夕食が18時なので、できれば20時くらいに入りたかったのですが、夜の時間帯は手術前日の患者さんが優先になります。今回は夕食前の17時に予約しました。
お風呂自体はシャワーのみですが、更衣室も浴室も広く、手すり類もちゃんと備え付けられています。シャンプーとリンスはそこそこ高品質のものよようでしたが、ボディソープが私のような脂タヌキには洗浄力不足らしく、石鹸を持ってくればよかったな〜と思いました。あ、ドライヤーもちゃんとありますよ!
そして夕食はこちら。お粥に刻んだほうれん草が入り始めました。野菜のスープ煮も葉物から根菜に。しかし痛み止めが聞いており楽勝でクリア。
その後は持ち込んだゲーミングPCで遊びまくり、消灯後はKindleで読書しながら就寝…のはずだったのですが、この日の夜から喉に猛烈な違和感を感じ始めます。痛くはないのですが、乾燥してヒリヒリする感じです。
まず唾液がやたらと出るようになり、飲み込むのは痛いのでティッシュペーパーに吐き出すのですが、けっこうな量の血が混じり始めました。体温を測ってみると発熱もしています。これはやばいかもしれない。不安になりながらまんじりと一夜を明かします。
入院5日目(手術から4日目)…痛み120%
朝起きると喉が猛烈に痛くなっており、この日からかんたんに完食できていた食事にも手間取るようになってしまいました。
朝食・昼食はそれでもクリアできました。診察時に先生にそのへんを訴えてみたところ、患部の傷がかさぶたになっており、それが剥がれはじめることで痛みあるのではないかとのこと。出血に関してはまだ大騒ぎする量ではないそうです。ただ発熱があるので投薬が必要かもしれず、ひとまず様子を見ようとのことでした。
なんとびっくり、ここからは良くなる一方だと思ったのですが、完治に向けて痛くなっていくのだそうです。
夕食はめっちや美味しそうなワンタンスープ。やっとこさ味の濃い料理が出てきました。柔らかいワンタンが泣くほど旨い。しかし食べているうちにドンドン喉が痛くなってきて、熱を測ったら38.1℃もあります。これは傷口が腫れてるな…。
そして地獄の日々がはじまります…。
入院6日目(手術から5日目)…痛み160%
一番苦しかったのがこの6日目です。患部が腫れて熱発してしまったので、食事がかなり辛くなってきました。
その反面、食事の内容はだんだん健常者と同じような構成になっていき、味付けも塩気が増してくるのですが、これが喉にとんでもないダメージを与えてくるのです。
まず朝食には炒り豆腐が出てきました。お粥と合うしめっちゃうまいのですが、ベーコンが固くて喉にチクチクきます。
夕食は水餃子にコーンクリームに中華スープと大好物ばかりだったのですが、喉の痛みが猛烈に悪化していてほとんど食べられず。諦めておやつのハーゲンダッツを食べたらなぜか喉の痛みがなくなり、最終的には7割くらい食べられました。あとになって気がついたのですが、アイスクリームを先に食べると喉が冷やされる上に、傷口が脂肪分でコートされて塩分に強くなるようです。ただし、硬いものを飲み込んだときは物理ダメージがそのまま通りますので油断なきよう…。
入院7日目(手術から6日目)…痛み200%
翌日(入院7日目)。この日からだんだん食事が怖くなり始めます。精神的に追い詰められてきたのか、空腹もあまり感じないようになってきました。
朝食は大好物のオムレツで、味も大変よいのですが痛みで箸が進みません。なんとか楽しく食べるアイデアはないかなと土井善晴先生の「味噌汁に入れたらだいたい何でもうまい説」を試してみたところ、食べやすくなったうえに旨かったです。びっくり。
昼食がこちら。豆腐と野菜を煮たものと粥という組合わせ。美味しいのですが痛みで全然進みません。自分はゴーゴーカレーのメジャーカレーを7分で食べられるのですが、これを食うのに1時間かかりました。信じられません。
そして夕食にはほうれん草のバター炒めが出てきたのですが、これが曲者を通り越して暗殺者レベルの仕事をします。バターの塩分を吸い込んだほうれん草が患部に絡みついて取れなくなり、あまりの痛みに呼吸ができず、ベッドに倒れ込んでしまいました。
起き上がってみると全身が脂汗まみれで、呼吸もあがっています。痛み止めや食べる順番でどうにかなるような次元ではなく、さすがにこれまで。悔しいことに半分近く残してしまいました…。
食事が怖くて憂鬱、でも食べないと治らないというのは精神的にかなり苦しく、これは体験してみないとわからないと思います。
夜になって出血は収まったのですが、患部の痛みは増すばかりで、扁桃腺だけでなく耳にも放散痛が走って眠れません(それでもアイスノンを使うと一時的に楽になる)。
睡眠薬が欲しいと看護師さんに頼んでみたのですが、扁桃腺の患者さんには出せないと言われてしまいました。マジか…(他の患者さんはマイスリーをもらっていました)。
入院8日目(手術から7日目・退院前日)…痛み100%
そしていよいよ退院前日の入院8日めを迎えます。T先生が様子を見にきてくれて、患部の状態は変わらず良いのであす退院可能、痛みは仕方ないのでがんばりましょう、という話になりました。
やっとこさ熱は下がって体調は良いのですが、相変わらず食事が苦痛で苦痛でたまりません。が、そこで扁桃腺手術後の食事を楽にする素晴らしいアイデアを思いつきました。
塩分が患部にしみて痛いわけですから、塩分を薄めてやればよいのです。というわけで、朝食に出てきたシュウマイをばっくり割って、塩分の絡まっている具材をお粥で洗って食べてみました。するとあら不思議、痛みが3分の1くらいになるじゃありませんか。
食事の痛みさえハックしてしまえばもうこちらのものです。洗ってパクパク、混ぜてパクパク、大楽勝で美味しくいただけました。ありがたや…。
昼食はこちら。クリームシチューはノドにしみないし(脂分が塩分を包んでいるから?)美味しいしで鉄板のメニューですね。神尾記念病院のシチューはあっさりしているのにぽってりとしていて、食べごたえがあって美味しいですよ~。
夕食。明日が退院日なので最後の晩餐です。献立は全粥にカラスガレイのムニエルという健常者の食事に近いもの。ムニエルの塩気が怖かったのですが、お粥と混ぜながら食べれば楽勝ですし、味も大変よかったです。食後には持ち込みのハーゲンダッツを食べて〆。
明日朝はドタバタしそうなので、夜はゲームをせず部屋の片付けや日記を書いたりして過ごしました。
入院9日目(手術から8日目・退院日)…痛み80%
いよいよ退院の日を迎えました。痛みは少し落ち着いたようで、昨夜は入院以来一番ぐっすりと眠れました。
朝一番で主治医のT先生の診察を受けます。傷口は大変きれいで問題ないということで、退院の許可をいただきました。
「退院後に調子をこいてステーキを食ったりすると、傷口が開いて大量出血してまた病院送りになりますよ、気をつけてくださいね。そうなったらすぐ救急車ですよ」とアドバイスされました。怖!
調べてみたところ、ここで下手を打つと洗面器一杯ぶんくらいの血が口からドバーッと出て、全身麻酔で再手術、今度は傷口を絹糸で縫うことになるそうです。死亡例もあるのだとか…怖いなあ。
そして一週間後の外来の予約を取り、最後にご挨拶して病室へと戻ったところで朝食の時間がやってきました。
これがこの病院で食べる最後の食事です。朝から茶碗蒸しにロールキャベツと豪勢なのは、もしかしたらお餞別かもしれません。この日の朝は痛みもあまりなく、快適に完食できました。栄養部のみなさん、美味しい食事をありがとうございました!
食後はお部屋の掃除と荷造りを済ませ、ナースステーションに体温計を返却して、腕の患者識別タグを切ってもらいます。ここで看護師さんからも「一週間くらいはお粥のほうがいいですよ。逆戻りになっちゃいますよ」と釘を刺されました。マジでやばいんですね。
その後は1Fでお会計を済ませ、病院を後にします。7時起床で9時15分に退院というスピード感でした。
神尾記念病院で入院生活はどうだったか?
喉の痛みと食事の困難さを除けば、だらけ放題でメチャ楽しい入院でした。神尾記念病院は施設が小さいため、コンビニや売店などがなく退屈するかと思ったのですが、大量に持参したゲームや本のおかげであっという間の9日間でした。
また扁桃腺の切除手術後は頻繁に歯を磨くため、施設がコンパクトなほうが洗面所へのアクセスがよいので楽だと思います。
先生はとても信頼でき、看護師さんは物腰が柔らかくて懇切丁寧。ごはんも美味しいし周辺環境も静かで、総じて居心地の非常に良い病院でした。
扁桃腺手術はダイエットになる!
そして蛇足ですが、規則正しい生活と健康的な病院食のお陰で、体重が85kg→79kgと6キロも落ちました。プリンとハーゲンダッツとヨーグルトを毎日食べてこれなので、カロリー計算のされた病院食ってすごいんですねえ。
退院するのがなんだか寂しい…
扁桃腺は再発することがあまりないので、もうここに入院することはないのだな〜と思うと悲しくなってしまうのですが、もしかしたら鼻とか耳の方でまたお世話になるかもしれません。その時はよろしくお願いします。
というわけで、扁桃腺手術での神尾記念病院入院日記は一応ここまでとなります。また折を見て、その後の経過も後日お知らせしたいと思います。ひとまず、ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。みなさまも良い扁桃腺ライフを!
追記・退院後の痛みと経過はこんな感じでした
退院して10日ほど経過したので、その後の経過もお伝えします。
- まず退院当日ですが、帰宅後もかなり痛みが走っており、会話すら自由にできません。タクシーの運転手さんに自宅の場所を伝えるのに一苦労というレベルです。小声でボソボソ話さないとすぐに喉が痛くなります。こんな状態なので、食事もお粥とハーゲンダッツで済ませました。
- 退院翌日は前日とあまり変わりなし。
- 退院後3日経って、かさぶたが剥がれ落ちたのか喉の状態が劇的に良くなりました。もう会話も普通にできます。まだ朝夕の痛み止めは服用していますが、食事の際の痛みもかなり少なくなっており、お粥をやめて白米(柔らかめ)に戻しました。おかずも何でも食べられそうでしたが、揚げ物や焼肉は先生から釘をさされているので我慢しました。
- 退院から1週間経ったところで退院後の診察です。もう喉の痛みはほぼありませんし、痛み止めの服用もしていません。先生に見ていただいたところ、患部は大変綺麗でもう再出血の心配はない、運動もサウナも焼肉もトンカツも解禁だとお墨付きをいただきました。さっそくその足で神田まつやに飛び込んで、天丼をかっくらいました。
- 退院から10日経ち、激辛の明太子パスタや熱いラーメン(天下一品)も試してみましたが、扁桃腺切除以前と変わらず美味しくいただけました。
- 手術後半月、退院後10日で完治したと言えそうです。厳密にはまだ舌や喉に若干のしびれがある(手術の際に開口器で舌を長時間押さえつけた後遺症らしいです)のですが、普段の生活で手術したこと、入院したことは意識しなくなりました。
私の術後の経過はこのような感じで、概して良好です。執刀医のT先生がメチャメチャ上手だったという可能性はあるのですが、扁桃腺手術はまるっと一ヶ月程度の我慢だと言えると思います。
手術も入院もそれなりに大変でしたが、今まで扁桃腺で熱を出してきた苦しみを考えると、どうして早く切らなかったんだろうという気持ちです。扁桃腺にビクビクしない新しい人生を手に入れました。はー、切ってよかった!