「星兵衛神泉ラボ」で異次元の熟成寿司を体験する
食いしん坊界隈で話題の熟成寿司専門店「星兵衛泉ラボ」にお邪魔してきました。
ここは店主の金田星人さん(本名)が独学で寿司を学んで開いたお店で、完全会員制。
場所も神泉が最寄り駅という以外は秘密です。とんでもないところにあるので、紹介されないと絶対わからないと思います。
また貸し切り営業が前提なので、寿司に数万円払える猛者を4〜6人集められる人だけが予約できる、という、いうすごいシステムになっています。
なぜ熟成寿司なのか?
寿司にも色々とありますが、金田星人さんが択んだのは熟成寿司というフィールド。
実は市中の高級なお寿司屋さんでは、新鮮なネタをど真ん中だけ使うので、トリミングや劣化で魚の大半が捨てられているのだそうです。
しかし熟成鮨なら鮮度を問いませんし、トリミングも上手にやれば最小限にできます。結果、食材のロスを最小限にできるというわけ。星兵衛では、仕入れた食材の歩留まりは9割に迫るそうです。
この金田さんの考え方が広まれば、フードロスが減り、お店も原価率が下がり、美味しいお寿司が安く食べられるという、とても良い時代が来るはずです。
とはいえ金田星人さんのお寿司が美味しくなければ、このナイスアイデアも掛け声倒れとなってしまいます。果たしてお味のほうはどうなのか…?
驚きのレベルで融合していたネタとシャリ
ここはグルメブログではないので一品一品についての御託は並べませんが、まず驚いたのは熟成された魚の切り身の濃厚な旨さ。
あまりにも旨味が強いので、これを刺し身で出されたら、酒のアテでしか成立しないのではないか、と思うほどです。
ところが金田星人さんの優しい握りと、すこし硬さを残した赤酢系のシャリとの相性が抜群にいい。
これはほぼ間違いなく、金田星人さんが考えに考え抜いてたどり着いたバランスだろうと思います。御本人はまだ完成していないと話していましたが、自分の舌では最適解としか思えませんでした。
星兵衛さんのお寿司の正直な感想とレビュー
実食すると、まず魚の切り身がねっとりと口の中で旨味を放ちます。そして少し間をおいて、シャリがホロッと崩れます。
シャリは少し硬さを残してあるので、ねっとりとした熟成のネタと合わせても、口の中でグチャグチャにはなりません。
それどころか香水のトップノートとラストノートの違いのような感じで、口に入れてから飲み込むまでの、香りと食感の変化が楽しいのです。
なかでも驚いたのがこちらの鯨の尾の身の握り。熟成を経ているので、口に入れた瞬間はトロかと勘違いしてしまうのですが、最後にジビエのような香りが残ります。これは同席した全員が一瞬言葉を失っていました。
お寿司は後半戦から「手渡し」になります。巻き物は頭からがぶりといって、トップ→ミドル→最後の海苔、といったふうに味の変化を楽しみます。
握りは手のひらからひと思いに口に入れて、口の中でのマリアージュを楽しむ。本当によく考えられていると思います。
スペシャリテの卵かけご飯もすごい
そして「なんだこれは!」と思うのが、スペシャリテの太刀魚の卵かけごはんです。
ホロホロに崩れる太刀魚の身を、卵かけごはんにまぶしながらいただくのですが、これは本当に「食べたことがない味」で、あまりの旨さに唸ってしまいました。
この一品は金田星人さんが「子供の頃はいつもごはんを卵かけご飯にしていた。それで刺し身や焼き魚が合うというのを知っていた」という経緯で産まれたようです。食卓に生卵を用意してくれていた、金田星人さんの親御さんに感謝するほかありません。
お酒も新政のいいところが揃っている
寿司に合わせるお酒も手抜きはなしで、新政酒造の良いところが揃っています。そして価格設定がとにかく安い。4杯くらい飲ませてもらっても、数千円しかお勘定が変わりません。
お酒が飲める人は、ケチらずに日本酒のよいところ、とお願いしてペアリングしてもらうべきだと思います。自分はお酒に弱いのですが、抗えませんでした!
「星兵衞神泉ラボ」の予約が取れるようになりました!
冒頭で申し上げたように、「星兵衞神泉ラボ」は完全予約制です。お店で金田星人さんとLINE交換できた人だけ、直接予約できるというシステムです。
自分も金田さんとLINE交換できたので、(だいぶ先にはなりますが)予約ができるようになりました。
「食べたことないようなすごい寿司」に興味のある食いしん坊の皆様、いつかどうですか〜?😄