聖路加国際病院は入院1泊2日で66000円から
お恥ずかしながら脳に物理的な異常が見つかりまして、脳血管造影検査というのを受けるため1泊2日で聖路加国際病院に入院しておりました。
聖路加国際病院は全室個室、看護一流・施設一流と言われている入院クオリティ(?)に定評のある病院ですが、果たしてそのお部屋と病院食はどんなものか…?
…というわけで、タクシーで朝イチに病院へ。
入院受付は9時ちょっと前から。この日はコロナ騒動の前ということもあり、一般外来もかなり人が少なかったです。
入院受付での対応はきわめてスムースで、9時10分には病室に入って寝転がっていました。
ちなみに受付のお姉さんが荷物を持ってお部屋まで案内してくれます。ホテルライクなサービスがいいですね!
これが聖路加国際病院の一番安い個室だ!
というわけで、差額ベッド代1日33000円、1泊2日で66000円になる、聖路加で一番安いお部屋の様子はこちら!
嬉しいことに4階の角部屋でした。4階だと庭っぽいものが窓の外にあって安心できるのと、角部屋だと静かなんですよね。
広さはまあまあ。装備はベッド、テレビ、棚、椅子2つといったところです。
そして聖路加国際病院がいいのは変な臭いがしないこと。そのへんの安い病院だと、尿と汗と消毒液が混ざったような、独特な臭気があるんですよね。ここは皆無でした。
角部屋なのもあって音も静かで、一発で気に入りました。
テレビは天井にマウントされており、ベッドに縛り付けられていても無理なく見ることができます。
WiFiも無料なので、入院でさえなければ結構快適に過ごせる空間だと思います。
個室なので専用の洗面台がついています。タオルはバスタオル2枚とハンドタオル1枚。あと、ティッシュ1箱がついていました。
アメニティはポーラのエステロワイエというホテル向けもので、使い心地は上々でした。このへん気を配ってるなあという感じです。
お風呂場はこんな感じ。床はちょっと年季が入っていますね。
66000円もするのにバストイレ別じゃないのかとガッカリしたのですが、よくよく考えたら病人なのでバリアフリーであることが優先なのでした。
そして特筆すべきはこの窓の景色です。
すべての部屋が建物の中心に対して斜めにマウントされているのですが、これ、向かいの病棟の病室の中が見えないようにするという配慮なんですね。
このおかげで気兼ねなく外光を取り込むことができました。よく考えてあるな~。
いよいよ脳血管造影検査に挑む!
入室から4時間ほど待たされて(ちょっと混んでいたようです)、いよいよ血管造影検査へと向かう時間になりました。
血管造影検査というのは、足の付根にある大動脈を穿刺してカテーテルをぶちこみ、それを首まで通して造影剤を直接脳にぶちまけ、X線を使って血液の流れを動画で撮るというハードなもので、検査とは言いつつ普通にカテーテル手術と同じような段取りです。
足の付根からカテーテルを入れるので、パンツではなくT字帯に履き替えます。これ、すぐに着脱できるので便利なんです。
いよいよ血管造影室へ…。
準備がてきたらベッドに載せられ、血管造影室というレントゲンつきのオペ室のようなところに運ばれます。
そして手術台に移ると、おもむろにT字帯を外されフルチンとなります。マジかよおい。
検査中ずっとフルオープンさせられるのはきついなあ…と思っていたのですが、軽く前当て布をかけてくれました。感謝。
いよいよ検査スタートです。まずは消毒薬をハケで大量に大腿部とチンポコに塗られます。
この消毒薬が死ぬほど冷たいのにとにかく染みて、ツメタァイ!アツゥイ!みたいな不思議な感覚となります。
そしてメチャクチャ痛い局所麻酔を何本も打ち込み、わけのわからなくなったところで大動脈を穿刺します。
穿刺される瞬間の痛みは感じないのですが、不思議なことに、カテーテルを挿入するときは感覚がありました。痛いというよりちょっと気持ち悪い感じですね。
カテーテルが大動脈に入ると、もう感覚は全然ありません。すでに首に到達しているようなのですが、ぜんぜんわかりません。
あとは先生の合図で造影剤が注入され撮影、造影剤が注入され撮影を繰り返すくらいで、実際は45分くらいだったと思います。
造影剤が入ってくる瞬間、じんわりと暖かさを感じるくらいで検査自体はそれほど苦痛とは思いませんでした。
実際、一番の大きな問題は検査後にあるのです…。
病室のベッドで6時間絶対安静に!
血管造影検査が終わると、穿刺した大動脈からの出血を予防するため、まず執刀してくれた先生がメチャクチャ強い力で患部を10分間圧迫してくれます。
麻酔が効いているはずなのですが痛いです。それくらい強くやります。これが一番痛かったかも…。
10分の圧迫が終わるとガムテープのようなもので患部がぐるぐる巻きに固定されます。毛をそのまま巻き込んでいるので、剥がすときに悲劇が起こることが約束されていますね。
患部の固定が終わると、よくテレビドラマで見る「よし移すぞッ、いち、にい、さん!」みたいな合図で運ばれてきたときのベッドに移され、そのまま元いた病室へガラガラと返品される感じです。
ここからはベッドでは3時間の絶対安静(患部を動かさないようにツタンカーメン状態で拘束されて3時間)、その後は脚を少しだけ動かしてもよい半安静となります。
この6時間でなにがキツいかと言うと、もうぜったいに大便と小便なのです。
ベッドの上で大便と小便はどうする?
小便は尿瓶(しびん)を使います。寝たまま放尿というのは案外テクニックが必要で、セットしてもらってもぜんぜん出てきません。
看護師さんに相談したところ、上半身だけベッドを起こすと腹圧がかかって出やすくなるとのことで、やってみると「はわわぁ…」という感じで無事500cc失禁できました。
幸いにして大便は出なかってのですが、看護師さんに「ちなみに大便はどうするのですか」と聞いたところ、ベッドにビニールシートを敷いたあと、おまるのようなものをケツにはさんで噴出することになるそうで、それはさすがに勘弁してほしいと思いました。
いよいよお楽しみの夕食タイム!
3時間の拘束が解け、半安静になったところで夕食の時間となります。
この日は朝から絶食、午前11時から絶飲食となっていたので、もうペコペコのカラカラです。
聖路加は追加料金を払えば病院食を超豪華にできるのでずか、初入院ということで今回はノーマルでオーダーしました。
出てきたのはこちら。八宝菜にトマトサラダ、漬物に杏仁豆腐。カロリーは650kcalほどです。
作りおきの炒めものが美味しいわけがないので、味はまるで期待していなかったのですが、なんとびっくりちゃんと美味しいです。
病室への配膳でも美味しく食べられるよう、炒め煮のような調理をしてるんでしょうね。
さやえんどうやウズラへの火の通し方も好みでした。
(特別食の様子。聖路加国際病院のホームページから引用)
ちなみに、+2200円でいただける特別食はこんな感じです。
なんですかこの銀の蓋は…? 飾り切りされた野菜は…?
せっかくなんで特別食にしたかったのですが、血管造影検査は夕食が何時に食べられるかわからないので、こういう豪勢な料理はオーダーしづらいんですよねえ。
というわけで、飯を食って、下半身の拘束が解けたらあとは寝るだけです。
ここで自宅から持ち込んだSwitchを取り出し、眠れるまでどうぶつの森をやろうと思ったのですが、繋ぎっぱなしになっている点滴が邪魔でうまくプレイできません。
あきらめてプレイを切り上げ、そのまま床につきました。いやまあはじめから床についてるんですが。
聖路加国際病院の朝食はこんな感じ!
朝は7時ごろに起床となります。先生が回診に来る前に朝ごはんをいただきます。
朝の定食はこんな漢字。アジ、味噌汁、ブロッコリーのサラダ、牛乳と素っ気ない感じでしたが、病人なのでこんなもんですね。
お味はどれも上々、美味しくいただきました。
はたして脳血管造影検査の結果は…?
朝食後しばらく経って、先生が回診にやってきます。おかげさまで検査結果は良好で、特に処置の必要はないとのことでした。良かった~。
その後は毛を巻き込みまくったビニールテープをバリバリはがしていただき(一応痛くないようにアルコールでのりをふやかしながら外してくれました)、歯を磨いて風呂に入っておしまいです。
9時半頃に退院したので、ほぼ24時間の滞在でした。
聖路加国際病院は高いけども快適だからヨシ!
ロビーにもどってお会計をすると、代金は部屋代が66000円、検査代金が4万円ということで、だいたい10万円くらいのお支払いになりました。
ちょっと高いような気もしますが、一番差額ベッド代の高い特別個室Aだと1泊2日で22万円もしますので、それと比べれば可愛いものです。
(特別室の様子。聖路加国際病院のホームページから引用)
聖路加は病室が快適で、飯はうまく、先生も看護師さんもテキパキしていて笑顔で優しいという、三拍子揃った入院でした。
なので、この値段でも特に不満はありません。
今回は処置不要のため1泊2日で卒業でしたが、開頭手術で長期入院することになってたとしても、やっぱり聖路加にしたんじゃないかなあと思います。
先生、看護師のみなさん、大変お世話になりました!