昔は確かに音が変わると感じていた
昔は電源ケーブルやらピンケーブルで音が変わると大騒ぎして、実際に音の差を感じて、1本2万円とか3万円するケーブルを使っていたわけだが、信濃電気のクリーン電源を導入してからは、ケーブルでそこまでの差は出ないというか、安いケーブルでもけっこう良く鳴るように感じている。
特にピンケーブルは安物でも満足できるものが多くて、ビックカメラで売っているビクターのクタクタした柔らかいケーブル、悪い意味での大阪名物w、プロケーブルのベルデン88760。このあたり、売値は1000円から3000円程度だけれど、実に素直な、肩肘張らない音が出る。
今まで、電源由来のノイズや歪みを高級ケーブルが抑えこんで(もしくは個性で相殺してくれて)いて、それが音に大きな悪影響を与えていたのだとしたら、電源を綺麗にしてしまった以上、高級ケーブルに大金を投資する意味は薄くなる。導体やら構造やらというのは、あくまで味付けというレベルの話になるわけだ。
そうなると、純銀やら金が最高なのかは、性能や良し悪しではなくて、好みと相性みたいな話になってくる。まあ、幸せな話ではあるんだけども。
ケーブルを通じて音にノイズが入ってくるのなら…
電源からのノイズや歪みの問題が片付いてしまえば、あとは飛び込みノイズとか、機器由来のノイズの話になるわけだが、(どこぞの喧嘩っ早いおじさんの受け売りのようになってしまうけれど)機材とか空間からのノイズが、ケーブルを通じて音にとんでもない悪影響を与えているのなら、機材が山のように積まれている放送局とかスタジオのプロ機材に、安いカナレがとてつもない長さでつながっているのは、確かに変な話ではある。
「オーディオ用の高級ケーブルで音がすんごく良くなる」という前提を良しとするならば、業務用の安物ケーブルを引き回しまくっているスタジオの音は最低最悪の部類に入るわけで、それを自宅の高級ケーブルでピュアに再生して、音が良いねと褒めるのは、なんとも変な話になってしまう。とはいえ、ケーブルや電源をアコースティックリヴァイブやFSKに換えたスタジオの話なんかも聞くには聞く…。
精神衛生的にも、オーディオアクセサリーは電源から手をつけたい
まあなので、お金のかけ方を考えなおしていきたい。
まずは当たり前だが機材そのもの、次にクリーン電源とか電源タップ、そしてインシュレーターにとかラックにブチ込んで、最後に高級電線に投資するのが、精神衛生的にも良いような気がしている。
高級素材を被覆に使ってノイズがどうたら、というケーブルは、電源を綺麗にして、アルミホイルでも巻いとけば、安物でも結構近づけるんじゃないのという気がしている。まあMITとか、ケーブル自体に回路が入っているやつは、理屈から言えば投資する価値はあるのかもしれないけども…。