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【危険】タイ・バンコクにある飛行機の墓場に行ってきた。

2015年2月24日

バンコクの空き地にボーイング747とMD-80(?)が落ちている!

久々の海外廃墟シリーズです。
「バンコクの町中にボーイング747が落ちている」という情報を海外の廃墟サイトで見つけ、念願かなって現地に行くことが出来ました。
というわけで、写真と動画でレポートします。

※写真・動画ともにすべてFUJIFILM X-T1 + FUJINON XF10-24mmF4 R OISで撮影。フィルムシミュレーションにクラシッククロームを使って、撮って出しです。

住み着いている入れ墨のホームレスに金をせびられる

バンコクの中心、スクンビットからタクシーで15分ほど。あっさりと現場に到着です。
そして驚いたことに、本当に町中の空き地に、ドドーンと飛行機が捨ててあります。

ゲートをくぐって中に入ると掘っ立て小屋があり、ニコニコしたおばちゃんが出てきて「入場料は100バーツやで」と手を出してきます。
どうやら地所の清掃管理をするのと引き替えに、一家でここに住み着き、ついでに観光客から金をせびっている模様です(多分)。




日本円で360円なので、まぁいいかと支払います。
そして飛行機に近づくと、今度は入れ墨の兄ちゃんが出てきて(おばちゃんの甥かなにかだと思う)、「写真を撮るなら200バーツ出せ。この入れ墨が見えないか」とさらに金をせびってきます。
男3人で現地に赴いていたので、殴り合いでも勝てる自信はあったのですが、刃物どころか鉄砲が出てくる可能性もあるので、もちろんそういうことをしてはいけません。
もろもろ交渉して、3人で200バーツということで妥結。うーん、しょっぱいですね(笑)

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ボーイング747だけだと思っていたら、MD-80らしき機体も2機あります。
聞いたところ、ボーイング747は日本航空→オリエントタイ航空の機材で、MD-80っぽいのもどこからか来たオリエントタイ航空の機材ではないかとのこと。
そして「747も前は2機あった」という情報も…。

推測するに、ここはオリエントタイ航空の古い機材を解体する業者の作業場だったのではないでしょうか。
道路の前後に歩道橋が出来ているので、これから新着(?)があるのかはわかりません。

というわけで、まずはボーイング747に入ろう!

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まずはボーイング747に入ってみましょう。

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貨物室から中に入ります。
ハシゴでキャビンにあがるのですが、痛みが激しく、床が抜けていたりするので大変危険です。

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1階キャビンです。

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ギャレーが残っていましたが什器類はすべて持ち去られていました。

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あちこちに日本語の書かれた資材が転がっています。

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2Fに上がります。

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配線材を抜くためにパネル類がはがされており、SF映画の人間培養ボックスみたいな雰囲気みたいになっています。

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そして、あこがれのコックピットへ。

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スロットルは無事でした。

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離陸の時はこういう操作を…なんて遊びをしちゃったり。

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MD-80(MD-82、MD-83?)も見に行こう

さて、つぎはMD-80を見に行きましょう。

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でろーんと落ちてます。ちなみに、入れ墨の兄ちゃんは右隣の尾部に住み着いています。

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おじゃまします…さてコックピットへ。

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おっ、計器類が色々残ってますね。

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スロットル部分の形から、やはりMD-80かMD-90のように見えます。詳しい方、教えてください。
このCDUだけでも持って帰りたかったのですが、それは廃墟マニアのマナー違反。同好の士のためにも、ぜったいにやめましょう。

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飛行機を堪能して外に出ると、おばちゃんが犬にえさをやっていました。
入れ墨の兄ちゃんはニコニコしながら「手が汚れたらそこの水道を使っていいよ」と言ってくれます。

このエグさとユルさの落差がタイの魅力ですね。




飛行機の墓場、動画もどうぞ。

現地への行き方

現場はバンコクの町中で、スラム街のようなところです。電車は通っていないので、路線バス、川船、タクシーで行くしかありません。
スクンビットから120バーツもあれば着くはずですので、けちけちせずにタクシーがよいでしょう。

Ramkhamhaeng Road Soi 101にある「Thanombutra School」という学校を目指してください。ボーイング747が落ちているので、近くまでくればすぐ解ります。
GrabTaxiやUberで向かえばわかりやすいでしょう。

注意

本文中にも書いてありますが、ここに住み着いているホームレス一家が地所の管理と清掃を行っているようです。
入り口前の小屋に住んでいるおばちゃんに100バーツ、そして運が悪いとMD-80に住んでいる兄ちゃんにも100バーツ取られます。
入れ墨を誇示して金をせびってくるので、かなり怖いです。相手も金をせびっている自覚はあるので、払いさえすれば急に親切になるのですが…。
というわけで、タイに慣れていない方は、一人では行かないほうが良いと思います。女性の一人歩きなどはもってのほかです。
あと犬がいるのですが、狂犬病の予防注射とかはやってないと思いますので、ちょっかいは出さないでくださいね。

追記★このボーイング747はどこの機体?

海外の廃墟マニアのサイトを見ると、この機材はオリエントタイ航空の保有機材で、JAL/JAAから転籍したものという記述があります。ここを起点に詳しく調べたところ、元JALの方から、

A_DSF7655

この壁紙に見覚えがあるとコメントをいただきました。やはりJALの機体であるようです。

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あとこれ。オリエントタイ航空の塗装がうっすら残っていますね。
同じJALの方から、これは747のSUD(アッパーデッキ延長型)で、世界で2機しか製造されていないものだと教えていただきました。
もろもろの条件を満たす機種は、ボーイング747-146B/SUDでしょう。1986年に日本航空でデビューしたJA8170、のちのオリエントタイ航空HS-UTQではないかと思われます。もしくは同年デビューのJA8176HS-UTMでしょうか。バンコクでスクラップになったという記述があるので、HS-UTMのほうではないかという気がします。

どちらも1986年に日本航空でデビュー、2006年にオリエントタイ航空に移籍。冒頭に少し書いた「昔あった」と思われるもう1機の747は、姉妹のどちらかだったのかもしれませんね。

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田中(あらいちゅー)

世界中の変な場所で変なものを食べ続ける、あらいちゅーこと田中です。中華料理、飛行機、カジノ、サウナ、鉄道が大好きで、北朝鮮にいったり鉄道でアメリカ大陸を横断したりと、ちょっと変わった旅をしています。詳しい自己紹介は運営者情報からどうぞ。

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