1977年の横須賀市立池上中学
ずっと探していた英伸三さんの写真集「1,700人の交響詩」を手に入れました。
写真家の英伸三さんが横須賀市立池上中学に通いつめ、撮りまくった教育現場の記録です。1977年ということで、こういう撮影ができたんですね。
ちなみに英伸三さんは「ふるさときゃらばん」の記録写真集なども出していて、時代の雰囲気というか、昭和末期の不思議な活気を伝えてくれる、力強い作品を世に出している方です。
横須賀市立池上中学校は合唱で有名で、英さんも子どもたちの歌を聴いて、この学校を撮りたいと思われたのだとか。
東島横須賀市立池上中学校は40学級、1700人というマンモス校で、学校全体をまとめるために合唱に力を入れていたのだそうです。
そんなわけで、表紙は合唱の指揮者。
つくり、で撮ったとは思えない表情なので、リハーサル中に正面から長玉で狙ったのかもしれません。
不思議と時代を感じない、生きている写真たち
ということで、さっそく中を見ていきましょう。
これは、一年生の中央委員選挙の写真。
不思議と時代を感じないことに驚きます。
自分の過去どころか、親の世代なのですが、制服の力なのか、子どもというのは普遍的なものなのか。
もしかすると、今の学校にも同じような雰囲気があるのでしょうか?
体育祭の写真。木造の校舎や山車、不動明王のタテカン?にギョッとしてしまいますが、これまた不思議と、時代を感じないのです。
自分の過去の記憶を見ているような気がするからか…いや、それでも、昔の話ですけどね。
進路相談の一コマ。こんな所まで撮らせてくれたのですね。
今では絶対に撮らせてくれないでしょうし、当時でも難しかったと思うのですが、英さんの人柄のお陰なのか…。
なぜか学校行事のシナリオがついていた
この写真集、旭川の古書店から買ったのですが、不思議なことに横須賀市立池上中学校生徒会の名前が入った、学校行事のシナリオがついてきました。
この「三年生を励ます会」という行事で、合唱を披露していたんですね。
最終ページに写真集表紙の写真が使われている&編集が綺麗なので、おそらく出版社がオマケでつけていたか、贈呈本に添えていたのではないかと思います。
この「今ではぜったいにやれない」という写真集、古書なら1000円程度で入手できます。
親の卒業アルバムを覗いてみたら自分がいた、ような気にさせてくれる、不思議な写真集です。
上にAmazonのリンクをご紹介していますが、古書が1-2点あるだけです。品切れの場合は、街の古書店で探してみてください。