低ノイズなリニアPCMレコーダーの出力をカメラに入れたい!
D750、D850、D810、EOS 5D4…。
デジカメやテジイチの動画を、もっともっと高音質で撮りたい!
外付けのマイクを買ったけどホワイトノイズが多い!
そして本体と同時に、リニアPCMレコーダーにも記録がしたい!
…という方、けっこう多いのではないでしょうか。
デジカメやデジイチでのワンマン動画撮影向けに、TASCAM(TEAC)のリニアPCMレコーダーをデジタル一眼レフに接続し、音声用マイクとする裏技をご説明します。
今回はTASCAMのDR-40を使用しましたが、TASCAMだけでなくソニーやZOOMの製品などでも使えると思います。
DR-40のマイクはS/Nが92dB以上と非常に高く、歪率も0.05%以下と、大変素性のいいものです。これを外部マイクとして接続することで、みなさんがご待望の「サー」という暗騒音(ホワイトノイズみたいなの)が無い、クリーンな音声収録が可能になります。
ホワイトノイズのない収録をデジタル一眼で実現する
それではやってみましょう。接続の仕方は簡単、DR-40のラインアウトを、ステレオミニ=ステレオミニのケーブルで接続するだけ。
これだけでびっくりするほどクリアな音声が得られます。
音声チェックもD800ではカメラ側のイヤホン端子からスルーが出ていたので、普通に可能でした。
おそらくですが、TASCAM DR-100mkII、DR-07mkII、DR-05、DR-07、ZOOM H4n・H2nなど、一般的なリニアPCMレコーダーなら、ラインアウトがついているなら同じように使えると思います。
カメラ側も、ラインインがついていれば大体は大丈夫でしょう。
しかし後述のインピーダンス調整ができるかどうかは確認が必要です。
インピーダンスの調整は必要
ただし、機器間のインピーダンスが異なるため、そのまま接続すると音量が大きすぎ、盛大に歪んで音割れを起こします(そのままイヤホンで聞かないように注意してください)。
そこで、カメラ本体側の音声設定をマニュアルにし(D800で可能と確認。、EOS 5Dmk3やD750でも可能とレポートをいただきました)、感度を最低にします。小生の持っているD800だと、感度「1」が適切です。
PCMレコーダー側も、音声レベルをマニュアルにして(例えばDR-40ではオートにすると、メイン音の音量に合わせて自動でレベルが上がり下がりします。これは会議などの録音用モードでしょう)、このケースではレベル値は最大~65くらいにします。
ライブの撮影など、そこまでファインな収録でなくてもよいなら、ピークリダクションをオンにしてもいいでしょう。
いかがでしょうか?
コンプレッサーをかけたような、やや不自然な感じもありますが、「サー」ノイズの殆どない、驚くほどクリアな音声収録環境が出来上がったと思います。
一般的には、デジタル一眼用の外付けマイクをつけるより、ほぼすべてのシーンでこちらのほうが喜ばれるでしょう。
ちょっとしたドキュメンタリーや路上ライブの収録くらいであれば、カメラ本体の音声でそのままパッケージングまでできると思います。
こだわる人はアッテネーターを入れてください
こだわる人は、カメラとレコーダーのインピーダンスを揃えるために、アッテネーターつきのケーブルをこさえたりするようです。
が、D800+DR-40の組み合わせでは、そこまでして本体に録音せんでもええんちゃう? という感じでした。
そして最後に少しだけ、現場で使ってみたTipsを。
- DR-40の録音レベルが50を越えると、風に大変弱くなります。ウィンドジャマー(もふもふ)は必須でしょう。
- ちなみにD800であれば、カメラ本体側のイヤホンジャックにヘッドフォンをつければ音声モニターも可能です。
そしてPCMレコーダーをカメラ(デジタル一眼)にマウントする方法ですが、写真にあるように、エツミのボールヘッドシュー・E-6615にPCMレコーダーを載せ、カメラ本体のストロボシューにはめこむ形が良いと思います。これであれば、映像と音声のセンターが一致するというのもあります。
ただしDR-40の場合、シュー穴は本体前方にあるため、そのまま接続するとDR-40の後ろが大きくせり出した状態になり、バランスが悪いのです。小生は香港で買った、LEDライト用の万能レール(?)をバラして、写真のようにして運用しています。
最近はこういった用途用の万能シューも売られているようです。
えらい便利になりましたね。
ガンマイクもデジカメにつなげてみよう
そしてここまで書いていて気がついたのですが、DR-40はXLR入力も可能なので、ガンマイクを接続して、台詞撮りをすることも可能でしょう。
ただ、下手なガンマイクよりDR-40の本体マイク(指向性モード)のほうがS/Nがいいという事と、そもそもそんな収録なら、PCMレコーダーの音声が本線になるだろ!という気はします。
しかしそれでも、本体側と音声を同録しておくことで、後々の音声の置き換えがやり易くなる、と思います。以上、皆様もぜひ実験を…!
おことわり
この記事はTASCAMのDR-40とD800の組み合わせでのみ動作確認をしています。EOS 5Dmk3、D750でも可能とご報告をいただきましたが、全て自己責任でお試しください。またインピーダンス調整などで機材にダメージを与える可能性もありますので、慎重に作業をお願いします。