カストリ書房で「パンパンハウス物語」著者の永澤あられ先生に出会う

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カストリ書房で平置き中、パンパンハウス物語。

吉原にある遊郭専門書店・カストリ書房にまたまた遊びに行ってきました!

商店(?)の土間を改装した小さなお店なのですが、遊び心のある新商品や、オッこれはという本がいつも入荷されていて、遊郭ファン・廃墟ファン・街歩きファンには堪らない場所なのです。

(写真は前回訪問時のものです)

どれどれ今日の新商品は…と思って暖簾をくぐると、関西弁のええ感じのオバチャンが縁台に腰掛けて、カストリ書房の店主と談笑しています。

このあたり関西人同士の気安さで、「関西から来らはったんですか~珍しいですね!」とお声がけをしたところ、なんとカストリ書房で平置きにしている絵本「パンパンハウス物語」著者の永澤あられ先生でした。

67歳で大阪芸術大学を卒業、いきなりの商業デビュー。

永澤先生は御年70歳。
会社を定年退職後、2013年まで大阪芸術大学の通信コースで勉強。
卒業制作として描いた絵物語が「パンパンハウス物語」。
これが出版社の目にとまり、自費でなく商業出版になったという流れです。

小生も大阪芸術大学の出身なので、卒業制作が商業出版として世に出るというのがどれだけ大したことなのか、よくわかります。
年は離れていますが、腕一本で夢を掴んだ同窓生がいるというのに、大変勇気づけられました。

「パンパンハウス物語」とはこんな本

さて肝心の「パンパンハウス物語」ですが、これは戦前すぐの大阪のパンパンハウス(置屋のようなもの)を舞台にした、春を売るお姉さんたちと遣手のおばあちゃん、米兵、そして子供時代の著者のお話。

掲載された5話の人情譚のそこかしこから、大阪の風土、戦後に生きる女性の努力、悲哀と明るさが伝わってきます。

といっても、完全ノンフィクションではないように思います。著者の記憶と体験をもとに紡いだ物語、といったところでしょうか。先生の身近に、誰かモデルとなった人物がいるのでしょう。

並装ですが、体裁自体は絵本です。

永澤あられ先生の優しいイラストと手書きの文字がギュッと詰め込まれています。
イラストも「おばちゃんが趣味で描いた」というレベルを遥かに通り抜けていて、もっと言うと才能しか感じません。
この人にしか描けない味のある上手さで、これから大活躍する予感がします。

版元がガチすぎて売れなかった悲劇の本?

本自体は2014年末の出版ですが、版元の風濤社というのがガチな絵本出版社で、テーマ的に売りづらかったようで、書店でのキャンペーンなどはあまりやれなかったそうです。

ところがカストリ書房に持ってきた途端、売れるわ売れるわ、一週間で数十冊はけてしまったとか。
在庫はまだあるようですが、版元と刷り数を考えると再販されるとは思えないので、買えてよかったとホッとしました。

まさに隠れていた名作、という本で、Amazonのカスタマーレビューは9件で4.9点という高評価。しかしこの本には、残念ながら紀伊国屋でもAmazonでもたどり着けないでしょう。
街の本屋さんの存在価値はここにあり、です。

※東京近郊の方はAmazonではなく、カストリ書房でお買い求めになるのを勧めます。永澤あられ先生が直々に彩色したポストカードがもらえます。特典は限定かもしれませんので、なかったらすいません。

永澤あられ先生に原画展やトークライブもやってほしい!

その後、カストリ書房の店主さんと、永澤あられ先生を交えて、30分ほど雑談。
原画展やトークライブをぜひやってください、とお伝えしました。

大阪人の郷愁が入っているかもしれないのですが、買ってよかったと思わせる本なのは間違いありません。お値段も1300円と格安です。
作品集や次回作を出してほしいと思うので、みなさんも是非、一冊!

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araichuuって誰?

araichuuって誰?

池袋でMBAを取得後、渋谷で覇気の無いIT企業を経営。好きな資本家は福澤桃介、夢はタイで立体駐車場を作ること。趣味は弱いけどポーカー。飛行機に飛び乗って、世界中のカジノで、一番レートの安いゲームを遊んでいます。カメラはFUJIFILM X-T2、X-T1、X20を愛用、たまにD800を持ち出します。